考えれば考えるほど不気味な話 女の悲鳴

ある日の、深夜のこと。

アパートの自室で、ボーっとテレビのバラエティー番組を眺めながら、カップラーメンをすすっていると、

「ギャアッ!」

女の悲鳴がこだました。

自分の耳元で叫ばれたくらいの迫力に、ビクッと肩が動いてしまう。

怖かった。

だけど、恐怖よりも好奇心が勝ってしまった。

箸を置き、窓に近づくと、ゆっくり窓を開ける。

下を見下ろすと、アパート前の道路をジャージ姿の若い男が走っていた。

まさか・・・

と、思った直後、男は不意に立ち止まり、こちらを見上げたのだ。

暗い中、街灯に照らされた男の顔が、みるみる歪んでいく。

男は、また走り出すと、アパートの階段を登り始める。

慌てて、こちらも玄関へ走った。

すぐさま、施錠を確認したが、その瞬間、外側からドアノブをガチャガチャ回された。

続けて、ドアを叩くような激しいノック。

俺は、その場で腰を抜かしてしまった。

「早く、早く出て来てください!」

男が叫んでいる。

「その女は、ヤバいっ!」

解説↓

この話は、様々な解釈ができると思う。

私は個人的に、2つの可能性が有力なのではないかと考える。

1つ。

まず、真っ先に疑うべきは、外を走っているジャージの男の気が狂っているということ。

この場合、男が側の道を歩いていた通行人の女性に危害を加えたため、女性の悲鳴が聞こえてきたのだろう。

続いて、2つ。

ジャージの男の気が狂っておらず、正常な場合。

男は、「その女は、ヤバい」と言って、必死で「俺」を助けようとしているように見える。

男が窓を見上げたときに、「俺」の後ろにヤバい女が見えたのだ。

つまり、アパートの部屋には、女が潜んでいるということになる。

この解釈なら、女の悲鳴が耳元で聞こえたような気がしたことの辻褄が合う。

幽霊なのか、気が狂った女なのかは分からないが、自分の部屋に誰かが潜んでいると考えると、非常に怖い・・・・
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