意味がわかると怖い話 呪われた傘

意味がわかると怖い話 呪われた傘

ある人から、持っていると災難を避けられるという「厄除けの傘」なる物をもらった。

信心深くない私は正直その効能について半信半疑だったが、傘なんて雨が降らなければ使わない物だったので、普段は気にもかけなかった。

傘をもらって3ヶ月ほど経ったある日。

その日は札幌への出張のため朝早くから空港へ行く予定だったのだが、折り悪く台風が近付いており、私は状況を見定めるためニュースを眺めていた。

が、台風は思ったより勢力も弱く、この分なら飛行機は予定通り飛びそうだ。

私は急いで出かける仕度を整え、車に乗るため玄関へと向かった。

当然のように“あの傘”に手をかけた瞬間、私はふとある事を思い出した。

使い始めて3ヶ月、私はこの傘の“災難を避けられる”という話に疑問を持っていた。

なぜなら、思えばこの傘を使った日はロクな目に遭っていなかったからだ。

最初は事故。私の車は難を逃れたが、後続の車が電柱に激突し、運転手が死亡。

次は通り魔。私も運悪く怪我を負ったが、被害者の1人は亡くなったらしい。

そして自殺の目撃。ビルの屋上から飛び降りた男が、私の目前1mに落ちてきた。

・・・どうもこの傘は気味が悪い。“死”という言葉に祟られているようにすら思える。

ひょっとしてこれは、厄除けどころか呪いの傘なのではないだろうか?

そう考えると、ふと恐ろしい発想にぶち当たる。この傘を私にくれた人物の事だ。

彼は会社の同僚。私とは言わばライバルの関係である。

若干風変わりな男で、こんな傘を送るだけあって占いなどに興味があるらしい。

が、そんな男だけに、逆に考えれば呪術関係にも明るいのではないだろうか?

まさか、私を蹴落とすため、呪いをかけた傘を贈ってきたのか?

私はゾクッと身震いをした。なんという遠回しな、執念深い呪いだろう。

雨の日に傘をさす度、私は知らず知らず死の呪いに晒されていたのだから。

考えてみれば、今日は飛行機に乗る。こんな時にこの傘を持っていったら・・・。

私は青ざめた顔のまま、見送りに出た妻に言い聞かせた。

「この傘は捨てといてくれ。確実に捨ててくれよ。絶対この傘を使っちゃダメだ」

ポカンとした顔で見送る妻を後に、私は空港へと車を走り出した。


解説↓


この話、考えられるのは2つのパターンではないだろうか。

1つ。

「私」の考えた通り、その傘は呪いの傘だったというパターン。

この場合、「私」はその傘を捨てたことで厄を払えることになるだろう。

2つ。

実はその傘があったからこそ、今まで最悪の事態は避けられていたというパターン。

もしも、こっちが正解だとすると、「私」が今日乗るという飛行機が、落ちないか心配である。
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