意味がわかると怖い話 助からない病

意味がわかると怖い話 助からない病

俺は、重い病にかかっていた。

発作がひどいときは動くどころか、呼吸すら自力でできない程重い病気だ。

俺の助かる方法は、臓器提供者を待つだけ。

それまで、グッと、ジッと痛みに耐えるだけ。

当時、俺には最愛の彼女がいた。

俺が割と体調のいいときは、

「お前の臓器くれよw」

「血液型違うから無理w」

「俺のために死んでくれw」

「やだw」

と冗談を言い合って笑ってたし、俺が発作を起こしたときは「そのくらい耐えなさいよ、男でしょ?」といいながらも手を強く握って祈ってくれた。

でも、看護婦さんによく追い出されてたw

ある日のこと。

例外もなく俺は発作を起こした。

俺は痛みに耐え切れずに、力を振り絞り

「もう死にたい」

とつぶやいた。

声にもならない音だったと思うけど、彼女には聞こえたようで、顔を歪めてわんわん泣いた。

俺は苦しいのと、いつも強気な彼女を泣かせてしまった悔しさで、さらに気分が悪くなった。

しばらくして、

「ちょっと用事で急ぐから」

そういって、彼女は病室から出て行った。

出て行くとき、彼女の手が俺の手からするりと抜ける瞬間ゆっくりと意識が薄れていった。

入れ替わりで、看護婦さんがバタバタと入ってきたところで意識はとんだ。

次の日の早朝、臓器提供者が見つかり、俺は助かった。

しかし、それから一ヶ月経っても彼女とは連絡が取れていない。

人づてに、俺が助かったのは届いたらしいのだが…。

それにしても暇だ。

退院したら真っ先に彼女に会いに行こう。

さすがにまだ殺されてないと思うけど、元気でやってるだろうか。


解説↓


この話は、一般的な解釈は「彼女が“俺”のために、血液型の合う人を殺してドナーにした」ということらしい。

でも、この解釈だとかなり無理がある。

殺されて死んだ人が「俺」のドナーになる保証はどこにもないからだ。

ましてや次の日すぐに臓器移植など、あり得ない。

おそらくだけど、彼女は本当は血液型が一緒だったのではないだろうか?

自分の臓器なら「俺」に渡すこともできるだろう。

でも、だとしたら、とても悲しい話である。

自分のために命を懸けてくれた女性はもういないのだ。

その後「俺」は、一生孤独の中を生きる思いをしてしまうかもしれない。
PR