意味がわかると怖い話 自殺願望

意味がわかると怖い話 自殺願望

(注:この話はフィクションです。書き手と「俺」は一切関係がありません。)

「死にたい。」

それが、友人の田中の口癖だった。

事業で失敗し、妻には去られ、後に残るのは莫大な借金のみ。

彼はこの前、居酒屋で俺に絡んできた。

「良いよなあ。お前は。出世コースまっしぐらだし、娘さんはアイドルだったっけ?」

俺は適当に相槌を打った。また、田中の僻みが始まった。

確かに俺は次期部長の座は約束されているし、娘はテレビにも頻繁に出演するアイドルタレントだ。

俺は、田中に聞いてみた。

「そんなに不幸なら、いっそのこと自殺しようって考えたことはあるのか?」

田中は俯いて、自嘲気味に笑った。

「残念ながら、俺はこれでも熱心な仏教徒なんだよ。自殺して地獄に堕ちるのなんて、まっぴらだぜ。」

そういうものなのだろうか。無宗教な俺にはよくわからないが。

そんな田中から、ある時メールが送られてきた。

そのメールには、俺の最愛の娘の、えげつない裸の画像が添付されていた。

そして、田中から一言。

「自暴自棄になって、お前の娘さんレイプしちゃいました~!! バーカ、ざまあみろ!!」

……俺は完全に、ブチ切れた。

後になってそのメールが、グラビアの写真を切り張りした、ただのコラージュだと知った時には全てが遅過ぎた。


解説↓


自殺したくてもできなかった田中は、「俺」の娘を強姦したと嘘をつき、「俺」に田中を殺させたと思われる。

最後に「全てが遅過ぎた」という一文があることから、「俺」は田中を殺害後に、強姦が嘘だったのだと知ったようだ。

田中は自分の命を絶つことと、「俺」を不幸のどん底に落とすこと(殺人犯になるため)、二つのことに成功したということになる。
PR