意味がわかると怖い話 エウリアン

上京して繁華街を初めて歩いていた時のこと。

綺麗なお姉さんが突然話しかけてきた。

なんでも今、絵画の展示会をしているらしい。

どうせ暇だったので、少し覗いてみることにした。

絵のことはよくわからないけれど、綺麗な絵がたくさん並んでいた。

お姉さんは僕に「気に入った作品はあるか?」と聞いてきた。

特になかったけれど、とりあえず一番きれいだと思える作品を指さした。

するとお姉さんは、目を輝かせて「素晴らしいセンスをしてる」と感激してくれた。

褒められると悪い気はしない。

そして、びっくりすることにその絵を本来ならあり得ない価格で売ってくれるというのだ。

本当なら数百万円するその絵を特別に、120万円で売ってくれるらしい。

なんてツイているんだろう。

僕はラッキーボーイだ。

この日この場所に来て、本当に良かった。

得した気分で、僕はローン契約にサインをした。

やっぱり、東京って夢があふれる街なんだな。

解説↓


これはいわゆる、絵画商法(エウリアン)という詐欺に引っかかってしまった男の話だ。

一枚数千円~高くてもせいぜい十万円くらいの絵を、さももっと価値が高いような言い方をして、高額で売りつけてくる悪質な詐欺だ。

街中で客引きをしているのはたいていが若くてきれいな女性。

ターゲットはモテなそうで世間知らずそうな若い男性だ。(若い女性がターゲットの時は、客引きが若くてかっこいい男性なこともある)

そもそも美味い話というのは基本的に世の中にはない。

仮にあったとしても、一般市民が簡単に手に入れられるようなことはない。

絵画商法に限らず、知らない人に突然おいしい話を持ち掛けられたときは、すべて詐欺だと思って間違いはないのだ。
PR