意味がわかると怖い話 サーカスの過剰な演出

意味がわかると怖い話 サーカスの過剰な演出

ただ券をもらったので、聞いたこともない名前のサーカスを見に行った。

サーカスにしちゃなんかへんぴな場所にあったけど、久しぶりだし気にせず入った。

中は薄暗く、何人ぐらいいるのかは全然見当がつかなかったけど人がいる気配はするんだ。

突然、舞台中央にスポットが当たって、空中ブランコが始まった。

遠くてよく分からないけどぶら~ん、ぶら~ん

やる気なさげと言うか、無気力な感じでブランコに足でぶら下がった女の人が左右に揺れてる。

ぶら~ん、ぶら~ん、ぶら~ん・・・と、ずるっと足がブランコからはずれて転落する。

「え?なに?」

ゴキッ・グチャ

いやな音とともに、なにかが飛び散るのが見える。

女の人は防護ネット突き破って真っ逆さまに床に激突していた。

左右からピエロが走り出てきてぴくりとも動かないその女の人に布をかぶせる。

「うわ、よりによって事故の現場に居合わせちゃった・・・」

いやな気持ちになっていると、布がガサガサっと動き中からさっきの女の人が出てきた。

「何だ、演出か・・・リアルすぎてあんまり感心できないなぁ。」

気分が悪くなってもう見るのをやめようと思い出口へ。

「ずいぶん凝った演出ですねぇ~あの女の人も大変だなぁ」

気が済まないので出口にいた係員に嫌み言ってやった。

係員はちょっとむっとしたように、でも得意げに答えた。

「大丈夫ですよ。ちゃんと双子でやってますから」

なぁ~んだ。そうか。


解説↓


このサーカスは、事故を故意に起こしているだ。

つまり、空中ブランコから人が落ちて亡くなるのを観客に見せるという悪趣味なショーだ。

無気力でやる気がなさそうな女の子がブランコを漕いでいたことからトレーニングされた動きでないことが窺えるし、事故が起きた直後にすぐに横からピエロが出てきて布を被せると中から元気な双子のもう一人の子が出てくる用意周到なところから、たまたまの事故でないことがわかる。

考えただけで気持ちが悪い、悪趣味なショーである。
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