意味がわかると怖い話 他人の心の声が聞こえてしまう

ある日のことだった。

突然に人の心が覗けるようになったんだ。

正確に言えば、他人の心の声が聞こえてくる感じだ。

ただし、聞きたいときに聞こえるわけじゃない。

勝手に聞こえてきて、勝手に聞こえなくなる。

最初は、ただただ驚くばかり。

そして、慣れてくるにしたがって、だんだんうんざりした。

まったくコントロールできないこんな能力に、振り回されるのはごめんだ。

あるとき、街の喧騒の中で、道行く人達の心の声が突然に聞こえてきた。

「ダリー」「うっせえよ」「バーカ」「この、ハゲ」「おい」

「また負けた」「死ねよ」「腹減ったわ」「なんだ、これ」「お前」

「今日はカレー食おうかな」「おっ、あの子すげー可愛い」「これホントか?」「聞こえてるのか?」

「あーセックスしたい」「ふっざけんな」「仕事辞めたい」「ホント」「お前は」

「部長ビンタしてえ」「金、金、金だ!」「浮気してるんでしょ?」「不細工」「邪魔だ」

「コイツら死ね」「馬鹿だ」「クソ」「今すぐ消えろ」

「ダイスキ」「あの女胸でけー」「もう1回」「アホだな」「死ねよ、こいつ」「俺の前から」

「また?」「この人と別れたい」「じゃなくてさ」「結婚したい」「このままじゃさ・・・」「さもないと」

だんだん、頭が痛くなってくる。

この能力は、全く役に立たないどころか、頭痛の種だ。

俺は、その場に立ち止ると頭を抑えた。

ああ、良かった。

だんだん聞こえなくなってきた。

人混みで、急に立ち止まったから人とぶつかってしまったが、能力の症状も治まってきた。

もう大丈夫だろう。

それにしても、人の心なんてきれいなものじゃないと、つくづく感じた。

解説↓



心の声がたくさん聞こえる中。

行の最後の部分は、同じ人の言葉ではなかろうか?

なぜなら、言葉がすべて繋がっているのだ。

「おい」→「お前」→「聞こえているのか?」→「お前は」→「邪魔だ」→「今すぐ消えろ」→「俺の前から」→「さもないと」

となる。

「俺」は、このメッセージに気が付いていないまま、立ち止まってしまった。

もしかすると、ぶつかってきた人はこのメッセージを送っていた人物かもしれない。

もしそうだとすると、刺されているなど、何らかしらの危害を加えられている恐れがある・・・・

意味がわかると怖い話 他人の心の声が聞こえてしまう
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