お母さんの返事

お母さんの返事

子どもの頃の話。


子どもの頃、僕は2階建ての借家にすんでいた。

母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。

ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。

「おかあさ~ん」と呼ぶと、2階からか小さな声で「はあ~い」と応える声がする。

もういっかい呼ぶとまた「はあ~い」。

自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。

階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から「はあ~い」と声がする。

奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、奥の部屋へゆっくりと近づいていく。

そのとき、下で玄関を開ける音がする。母親があわただしく買い物袋をさげて帰ってきた。

「しゅんすけ、帰ってる~?」明るい声で僕を呼んでいる。

僕はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。

そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。

奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。

僕は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。

こっちを見ている白い人間の顔だった。


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実話 海の怪談

これは本当にあった怖い話だそうです。



昭和30年7月28日。

三重県津市中河原海岸でのこと。

地元の市立橋北中学校の女子生徒たちが、水着で準備運動をしていた。

中河原海岸は波が穏やかで遠浅なため、水泳の授業によく使われていた。

しかし、女子生徒たちが浜辺から50メートル先の地点に差し掛かった時、突然の大波が生徒たちを襲った。

それまで穏やかだった海が一瞬にして姿を変え、次々に生徒たちを飲み込んだ。

死者36名、生存者9名という大惨事になる。

事故は浜辺から50メートルの地点で起きた。

だが、中河原海岸は遠浅だ。

子どもでも十分に足がつく深さだったはずだ。

さらにこの日は天候もよく、大波など起こるはずもなかった。

事故の原因は、澪(みお)ではないかという声があがった。

澪というのは、「海・湖・川で、流れの作用で底がみぞ状に深くなった部分のこと」。

澪の周りには、タイナミと呼ばれる津波が発生することがあるという。

女子生徒たちは、このタイナミに飲み込まれてしまったのではないかと考えられた。

しかし、生存者の一人である、H・Uさんという女性は事故の時におかしなものを見たという。

周囲の人たちは誰も信じてくれなかったらしいが、H・Uさんは確かに見たそうだ。

事故当日、H・Uさんは友人と二人で泳いでいた。

二人はほかの生徒たちから少し離れた場所にいたため、澪の大波からは逃れることができた。

しかし、ナニカがH・Uさんの足に絡みついた。

足に絡みついたナニカとは、人間の手だった。

いくつもの手が、H・Uさんの足を引っ張り、執拗に水中へと引っ張り込もうとしていた。

そして、気を失ったH・Uさんは気が付いた時には、病院のベッドの上だったという。

H・Uさんたちを襲った亡霊たちは、防空頭巾にモンペ姿をしていたそうだ。

しかも、その防空頭巾にモンペ姿の亡霊たちを見たのは、H・Uさんだけではなく他にも複数の目撃談があった。

その後、調べてみると中河原海岸にはいわくがあったのだ。

昭和26年7月。

事故から4年前のこと。

この海岸で水難事故が起きていた。

犠牲になったのは、小学生の男の子。

その日は、7月29日だった。

H・Uさんたちの事故と、1日違いだった。

それだけではない。

戦時中のことまでさかのぼって調べてみると、ある事実にたどり着く。

事故の日から10年前の昭和20年7月。

日本は第二次世界大戦の真っただ中。

アメリカ軍の空襲により、三重県の津市の市民が250人亡くなった。

火葬しきれない遺体は、その海岸に穴を掘って埋めた。

その日が、ちょうど10年前の7月28日だったのだ・・・・


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怖い話 戦後の食糧難

怖い話 戦後の食糧難

戦後すぐ、広島のとある病院での出来事。

大部屋に入院しているある男は、同室にいる何人かのうち、一人の痩せた男のことが気になっていた。

この男は、来る日も来る日も夜半に部屋を抜け出し、どこかに出かけている。

そして小一時間もすると何事も無かったかのように部屋に戻ってくるのだ。

別に痩せぎすの男は夜中にけたたましい音をたてて部屋を出て行くわけではない。

むしろ音も立てずに部屋から消える。

そういう意味では、男の夜間外出に迷惑しているわけではない。

しかし、純粋な好奇心から痩せぎすの男が夜中に何をしているのかが気になる。

あまりに気になるので夜も眠れなくなったある夜、思い切って後をつけてみることにした。
 
痩せぎすの男は、尾行されていることも知らずにどんどん歩いていく。

あっという間に病院を出て、すぐ近くにある墓地へと入っていった。

夜中に墓地とは明らかに普通ではなかったが、そのことがかえって尾行する側の好奇心を掻き立てる。

いよいよ慎重に先行する男の様子を探った。
 
やがて男はとある家の墓の前で立ち止まった。

そして、墓石に向かって何かをしている。

後をつけていた男の所からは、痩せぎすの男がそこで何をしているのか分からなかった。

そこで、相手の手元を伺える位置へ密かに移動した。

果たして、その痩せぎすの男は、墓の下から骨壷を取り出し、その中に入っていた遺骨をかじっていた。

様子を見ていた男は、思わず「あっ」と声をあげてしまった。

その途端、骨をかじっていた男は尾行者に気がついたようだった。

尾行がばれてしまった男は、わき目も振らず一目散に自室に駆け戻った。

それから少し遅れて、あの同室の男が部屋に戻ってきた。

男は別段慌てる風でもなかったが、めいめいのベッドで眠っている同室の患者の顔を覗き込んで回っているようだった。

先に逃げていた男は、薄目をあけてその様子をうかがっていたが、追ってきた男が何をしているのか良く分からなかった。

ただ、何事かをつぶやいていることだけは分かった。

やがて、自分の所にもその男がやってきた。

他の者にしていたように、顔をこちらに近づけてくる。

そして・・・・・・。

「一つ、二つ、三つ・・・・・・・・・。鼓動が早いな、見たのはお前だ!」


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怖い話 霊感のある女性の恐怖

怖い話 霊感のある女性の恐怖

私の家族で、父は北海道の神社をしていた家系でハッキリと見える人

母は感が鋭く、誰かが入院したなど聞くと「○月△日、◎時頃に亡くなる」と言い、実際、何回も当たったことがある。ちなみに、母も見える人。

私は両親の血を継いだのか、見えるし感は鋭いし、小さい頃から世界を色で見ていた。

例えば、気の合わない人は赤、本能的に好きになる人は青、一緒にいて安心する人はオレンジ、のように、空の色や、水の色も視覚的に見たものと、感覚的に見たものではまったく違う、変な感覚の持ち主。

誰かが死んだ場所には色があって、それが時代によって違ったりする。青は平成、昭和はセピアっぽかった、大正はコントラストが高めだったり。

そんな私は、某大手チェーンのカフェで働いているのだが、去年から喫煙席が変に暗くて誰かがいる。

一番奥の席、そこに女の人が座ってた。色は青。きっと平成に亡くなった方だと思う。

それを私だけが見ているならまだしも、一緒に働いている友達も、そこになにかがいる、と言う。

まあ、なにかしてくる様子もなかったから無視してたんだけど、たまに、ガタガタと動いたりする。

でもやっぱり、そんなに気にならなかった。だってなにもしてこないから。

まあそんなこんなで、特になにもされることなく、店が改装した。

その女性がいたところは、照明が変わり随分と明るくなった。

女性の陰は、少しだけ薄れた気がするなぁ、と思ってたんだけど、新しく出来た喫煙席に6人くらい新入りが増えた。

まあ今回の話の主役はその6人ではないから、今回は話しません。

わたしはその新入りに目をとられ、女性を気にすることがなくなったの。

でも一昨日、その女性が明らかにおかしかった。

いままではジッと座ってたのに、立ってた。しかも、歩いてるの。

前には進んでないけど、体が左右に揺れてる。

ジワジワと、近づいてくる感じ。

でもまあ、いままでなにもしてこなかったから、と、その日は少し怖いなぁと感じながらも店を出た。

それで、昨日いつものように店に入ったら、その女性と目が合った。

ということは、その女性の場所が移動した、てこと。

いままで女性のいたところは、入り口からじゃ見えない、一番遠いところ。

それでも昨日行ったら、入り口から入ってくるわたしをジッと見てた。

赤黒くて、睨むみたいに私を見てる。

私は慌てて店を出て、色んな人に電話をかけまくった。

気が狂いそうだった。

逃げたかったけど、仕事あるし、とどこか冷静で。

でも店に入ることはできなかった。

何人も電話した。

そしたら、母にやっと電話が繋がった。

私はワンワン泣きながら母に怖い怖いと言い続けた。

実際死ぬほど怖かった。

入り口から2mほど離れた従業員用駐輪場にしゃがみ込んで、泣きながら電話をする。そしたら母が、

母「あんたなにしたの!!!その声は誰!!!!」

と怒鳴りだした。

その声?私以外その場にいない、と思い、顔を上げたら、女性が店の中に立って、私を見ていた。

入り口は全部ガラス張りだから、ハッキリ見えた。

私は、なんでいるの、と金切り声で叫ぶ。もちろん通行人もビックリ。

母は、すぐに行くから待ってなさい、と言うけど、こんな所で待ってるなんて正直無理。

足がもつれながらも店から離れ、近くの某ファストフードのビルの隙間に座り込んだ。

そしたらバイト先から電話がきた。

事情も説明しなきゃならないし、と電話に出て、ひたすら謝り倒す。

今日はもう無理です、行けません、と言い続けたときに、電話先の先輩が

「○○(私)?○○以外の女の人の声で聞こえないよ!どうしたの!!!」

と言う。

他の人の声?まただ。でも、ビルの隙間。私以外の声なんか入るはずがない。

そう言われ、声が出なくなった。涙も止まらない。

そしたら、急にスマホの充電がなくなった。

家をでる直前まで充電してたのに、画面には「充電がなくなりました、シャットダウンします」みたいな文字。

でもその画面もオカシイ。文字が乱れてる。こんなバグは初めてだった。

薄暗いビルの隙間に耐えられなくなって、その某ファストフードの店に入って母を待った。

待ってる間、耳元で誰かがしゃべってる。

怖くて、泣きながら母を待つ。

10分ほどして、母がくると、父の実家から送られてきた水晶のブレスレットと、水を私に渡す。

「いますぐ飲みきりなさい」

と母は私に怒鳴って、震える手でタンブラーに入った水を飲み干す。ちょっと塩辛い。

飲み干すと、母は私を無理矢理ファストフード店から出し車道まで出ると私に向けて大量の塩をぶちまけた。目に入って痛かった…とにかく、痛くてまた泣く。

人通りの多い道だからもちろん周りはポカン。立ち止まる人もいた。

それでも、耳元でのしゃべり声はなくなった。

そんで家にタクシーで帰って、玄関で待ち構えていた父に怒鳴られる。

「明日必ずお祓いに行け。なんてもんを連れてかえってきたんだ!」

と。

まだいるのか、と思いつつ、私は頷いて、少しだけ寝ようと母の布団に潜り込んだ。

私の部屋は霊の溜まり場所だし、隣人が自殺した部屋に面してたから、部屋に入る気になんてなれなかった。

少しウトウトしはじめて、何気なく窓の外を見た。

いる、あの人が。

でも割と冷静で、参ったなぁ、どうしよう、なんて思いながらちょっとだけ効いてきた睡眠薬につられて眠った。

それでも、深夜のバイトがあるから、深夜の別のバイトに向かう。

そのころにはすっかり心が晴れて、気持ちよくバイトをしてた。

バイトが終わって、3時過ぎに家に帰ってきて。

うちは5階だから5階までエレベーター使って、外にある廊下を歩く。

そのとき、感じたことのない違和感を覚えた。

5階から見下ろすと公園があるんだけど、いるんだなぁ、そこに。

あの女性が立ってる。

しかもこっちを見ながら。

慌てて部屋に入って、母の隣に潜り込んだ。いま、ここ。

みんな寝てるはずなのに、リビングに誰かいる。

参った。私は明日お祓い行きます。


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不気味な怖い話 変わってしまった妹

不気味な怖い話 変わってしまった妹

妹の話。

うちの妹は小さい頃、大人しいというか1人で遊ぶのが好きな子だった。

よく母親の鏡台を前にして、ボソボソ独り言を言ったり、誰もいない部屋でユマちゃんの絵を描いたりしてた。

ユマちゃんというのは、妹の想像上の友達らしくいつも傍にいるらしかった。

そんな妹を、ちょっと気味が悪いと思ってた。

ユマちゃんの絵は描かなくなったが、独り言は高校生になっても続いてた。

妹は大学進学で、一人暮らしすることになり家を出た。

いろいろ心配だったが、遠方の大学だった為妹とはお正月まで会うことはなかった。

お正月に帰省した妹に、びっくりした。

服装が派手になり、性格も明るくなっていた。

親は、都会生活の影響で変わったのだろうくらいにしか思ってないのか。

まるで何も変わってないかのごとく、妹に接していた。

これではまるで異質なのは、私の方ではないか。

そして、夕食時に気づいた。

妹が、右手で箸を持っていることに。

ただ、それだけのことにゾッとした。

妹は、左利きだったのだ。

そのことを指摘すると、努力して矯正したのだと言う。

何度か矯正しようとして、18年間無理だったものが。

たかだか、数ヶ月の一人暮らしで変わるものなのか。

私には、もう全くの別人にしか思えない。

我慢出来ず「あなた誰なの?」と口にしてしまった。

妹は、私のおかしな質問に驚いた様子もなく。

「やだな。何言ってるの。繭だよ」

と、淀みなく答えた。


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